保育園、誰のためのものか。地域編
4日目。
保育園は、誰のためのものか。
もちろん、通所している子どものため。
そして、就労、または求職や病気のために子どもの保育ができない親のため。
長らく、以上の大きな二つの役割を果たしてきた。
そこに、地域子育て支援事業が位置付けられ、保育園に通っていない子育て家庭に対しても、保育園の専門性を活かした支援が行われる。
それでは、保育園の専門性とは何か?
意外と知られていないが、保育園には、「保育士」「看護師」「栄養士」がいる。
つまり、単に「子育て支援」といっても…
・子どもの育ち(生活・遊び等)の面でのサポート
・子どもの健康面でのサポート
・子どもの栄養面でのサポート
・これらに付随する親御さんの悩みのケア
と様々な切り口ができる。定期的に、地域の子育て家庭に声をかけて、こうした相談会を実施する。
このときに注意しているのは、一方的にアドバイスをするのではなく、
参加者同士にどのような関係性がはぐくまれたか。
「支援する側」「支援される側」という関係を作らずに、
「共に育ちあう、学びあう」という関係を作ることだ。
少し月齢の大きい子を見て、育児の見通しを持ったり、
少し月例の小さい子を見て、少し前の育児の悩みを重ねて見たり、
互いに「ウチはこうしてる」「これを試してみたらよかった」などの話をしながら、
保育士の立場からフォローできるところをさりげなく伝える。
自分の知識を単に伝えるのではなく、参加者から悩みやヒントを引き出していき、当事者同士で解決の方策を考える。
共に課題を悩み、共に解決を喜ぶプロセスを経て、地域の子育てコミュニティを作って行く。
これは、かなり腕のいることであるが、私は場のコーディネートをして、進行はベテラン保育士さんにお任せしている。
やはり、この道40年以上の先生がいてくれると、それだけで場に安心感が出るのだ。
些細なことかもしれないが、この小さな子育てコミュニティを少しずつ作っていき、いざというときに頼れる人がいて安心できるコミュニティを目指していきたい。