幼少期に必要な「学び」とは何か?
今日は、こちらの学校が主催のシンポジウムに参加。
普段からお世話になっている先生が基調講演ということもあって。
気づきをたくさん得たので、備忘録として書いておく。
タイトル『幼少期に必要な「学び」とは何か』
◎「学び」とは、辞書的な意味を覚えるだけでなく、体験を通じてその語義を一人称化して「意味」を体得していくこと。語義が表す内容についての「体験」が必要で、それによって語義に「感情」や「価値判断」をまぶして意味にしていくことが大切。(汐見稔幸氏)
学びにおける体験の重要性 = 遊びの重要性
…人やものとの関わりを通して、子どもは対象に内包される法則性や、生命や自然に対する畏敬の念といった抽象的で高度な概念とかかわり、それらを獲得して行くことになり、さらには、様々な事物や現象を捉え、それらに対する認識を深めて行くようになる。
◎見守る(MIMAMORU)ことは、日本の保育において傑出している。
プロの保育者として、どこまで子どものことを信じて、単に「見る」だけでなく「見守る」ことができているのか。そこには、子どものことを信じる気持ち、子どもの遊びが発展するような環境設定、どんな体験を得ているかと言う意味付けできるスキルが必要となる。
◎幼少期に必要な学びから、遊びを捉える。
・学びとは、自分の中に変革・変化が起こること
・他者と協働しながら社会を変えて行く力
・特に「答え」のない問題に協働で立ち向かい、「正解」ではなく、その都度「最適解」を求め続ける力
◎他者(身近な大人、友だち)との関わりの中で人は育っていく。
つまり、身近な大人は、どこまで「主体的、対話的で深い学び」をしているか。その姿勢そのものが重要である。「消極的、一方的で浅い学び」の大人の周りで育つ子どもは、世界の捉え方が同じになってしまう。
◎幼保小の接続においては、学びの主人公である子どもたちを、横串で見ていくことが必要。獲得していく力は同じなのだから、その目線をきっちり擦り合せながら、どのような経験と知識を結びつけていくか。立場の違いによって手法はことなるが、その一つひとつが有機的に結びついていくことが重要。
・互いの教育を理解し、見通すことが必要。
それぞれの発達の違いを踏まえて教育を充実させることが重要であり、一方が他方に合わせるものではないことに留意。
・教育活動を繋がりで捉える工夫を示す。
「人とのかかわり」「ものとのかかわり」という直接的・具体的な対象とのかかわりで幼児期と児童期の教育のつながりを見通して、円滑な接続を図ることが必要。
幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方に関する調査研究協力者会議報告書について:文部科学省
◎短い時間にそつなくこなすことが評価されるようになると、空気が淀む。
時間を、未来の価値観にかけること(ブレークスルーや、イノベーションが生まれる源)
将来に向かって、努力したい気持ちがある。
「あきらめない」というのが人間。
(以上、霊長類学者・山極さんの言葉)
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幼児期からの教育改革、こんな言葉をちらほら耳にするようになった。
もっと自分の口で、自分の行動で、表現できるよう昇華していきます。