自分にとっての「当たり前」(しかも知らずのうちに創られた)を疑うこと。それが対話の目的。
続き。
ラーニングバーの実際の話を追って見る。
前回の記事は、こちら。
◎ラーニング・バーにおける3つの精神 *茶道の精神にならって…
①準備を整えて参加者を待つ (支度)
②参加者がくつろげる空間を演出する (しつらえ)
③すべての人がルールを共有する (しかけ)
◎内容を決める3つのプロセス
①テーマの設定
…主催者自身が興味や関心を持っているかどうか
…みんなの問題であるか
②講師の選定
③良質の問いかけ:ドライビングクエスチョン(人が探求に値するような内省や思考をかきたてる問い)
…講師にも問いかけをお願いする。良質な問いかけにより、「対話」が生まれる。対話とは、それぞれ人が違うこと、違った意見を持っていることの判断を保留して、鑑賞・吟味し合う、抜き差しならない行為。「対話」なきところに「内省」は生まれない。
◎空間Designの3つの心構
①学習者を中心に組み立てられているか
*それまでに持っている知識・技能・行動スタイルを再重要視すること
②主催者がみんなで楽しんでいるか
③形成的評価を忘れない
*学びは、常に状況に埋め込まれている。
◎当日のタイムテーブルにおける注意
①開始前=BGMを流す
・音量は、最初はやや大きめに(静かだと恥ずかしがって話さないため)
②開始前=自分がロールモデルとなる
・場が始まる前は、わざと人前に出て、大きな声で挨拶をする。
・互いに知らない参加者同士をつなげる(コネクターの役割)
③開始時=ルールと枠組みを設定する
・イントロダクションで、「知の消費者」になるのではなく「場の創り手」になってほしいことを話す
・過剰な自由に投げ込まない。しっかりとしたルールと制約を話すことで、自由な対話を促すことが出来る。
・話題の「全体的な枠組み」「予備的な情報」を参加者に提示する。また、「なぜこのテーマについて学ぶのか」についても十分説明する。
④対話=脱構築を重視する。
・様々な参加者がいる中で、いきなり対話をしろと言われても、グループで話が噛み合ないことがある。コミュニケーションを図る上では、知らずのうちに所属する組織の前提の上で話をしてしまうことに気付くことがある。
・大事なことは、自分にとっての「当たり前」を疑い、その背後にあるものに気付くこと。それが対話の目的。
⑤質疑応答=やらない。取りまとめて質問する
・付箋などに記入してもらい、参加者の共通の関心について、質問をする。
(こっちの方が、多くの人の質問に答えられる)
・ポジティブな側面ではなく、ネガティブな側面に着いては、司会が質問する。
(特に、きわどい内容は、参加者には聞きづらいので)
⑥ラップアップ(まとめ)=即興性を大事にする。
・ゲストの話したこと、対話で出た話題をしっかり聞いておき、最後の時間を使ってスライドを作成する。
「自分の土俵に引きつけて、最後は自分の主観で語る」
「あえて、参加者にモヤモヤを残す(=問いかけを発して終わる)」
※今日の話を踏まえて、皆さんは今後どうしたいか。何を変えたいと思い、何を変えたくないと思うか。
⑦終了後=主催者側の振り返り
・その日のうちに、30分でも1時間でもいいから持つ。
◎場づくりを学ぶために、必要なこと
①知識(学習研究、ワークショップ、メディア)
・以下の本がオススメ
②経験
・まずは色々な場に参加してみる(面白い場には、継続して参加してみる)
・創り手に回ってみる(まずは受付からでも。徐々に、司会、企画など)
===============
現在進行中の、そして今後の「学び場」を創る上でヒントとなることがたくさん!
これらで得たヒントは、実践知・経験知として生かしていこう!