しーしー奮闘記! 〜保育園の中心でコミュニティデザインを叫ぶ。〜

こどもを中心としたまちづくり。保育園を、コミュニティのハブにする。こどもが歓迎される社会をつくる。一人ひとりに居場所と役割がある地域をつくる。そんな使命を掲げるブログです。

3歳児神話はあるのか?

子育て・保育の世界では、しばしば耳にする3歳児神話

今回はNHKの記事に感化されて、これに触れてみる。

 

www3.nhk.or.jp

 

この3歳児神話に苦しめられているお母さんは、たくさんいるのではないか。

子どもを育てながら仕事を続ける事に後ろめたさを感じ、世間からは子どもが小さいときくらい家で育ててあげれば良いのに…と言われ、会社でも短時間勤務で早く帰る事に居づらさを感じ…。

 

 

そもそも3歳児神話はいつ生まれたのか。

NHKの記事が素晴らしすぎるので、ダイジェストで抜粋したい。

 

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>昭和26年報告書発表

3歳児神話について研究しているお茶の水女子大学の菅原ますみ教授。
『子どものために小さいころ(特に3歳までは)母親が育児に専念した方がよい』という説が広まるきっかけはイギリスのボウルビィという精神医学者の1951年(昭和26年)の報告書だといいます。
 
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しかし、近年の研究では、母親の就労は関係ないと結論づけられている。
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>新しい研究“母親の就労は影響なし”

菅原教授はボウルビィの報告書について「母子の結びつきの大切さを主張していて、母親の就労を否定するものではない。それが母親の不在がよくないという一面のみが強調されてしまった」と指摘しています。

菅原教授は3歳児神話について自らも10年以上の追跡研究を実施していました。「日本で269組の母子を12年間追跡調査した。その結果、3歳未満で母親が働いても、問題行動や母子関係の良好さに関連性は認められなかった」という研究結果をまとめています。
 

>影響があるのはこんなこと

それは「『お母さんの心の健康』、『夫婦仲』、保育園などの『保育の質』で、これらは子どもの発達に影響し問題行動にもつながるとされています」 「大切なのは安全な環境で愛情をもって養育されること。それはお母さんだけでなく、お父さん、祖父母、シッター、保育士などある意味、複数の人からでも大丈夫なのです」
 
 

3歳児神話”には真実の一面も

40年以上、母親に関わるさまざまな“神話”を研究している。恵泉女学園大学の大日向雅美学長です。
大日向さんの話ではまず、「“3歳までが非常に大切な時期”というのは真実。この時期に愛され自信を持ち人を信じる心を育むことは崩してはならない」

ただ「その時期に“母親が育児に専念しなければいけない”は修正が必要。母親だけでなく、父親や祖父母、地域の人などさまざまなところから愛情を受け取れる」
 
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これは、東京大学の遠藤先生のアタッチメントの本にも同じような事が述べられている。
0〜2歳児の頃に、どれだけ安心・安全な環境に身を置いているかどうかが、その後の自己肯定感や他者肯定などの力につながっている。
 
 
また、NHK記事に戻るが、最後の言葉が刺さります。
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>悩みながら揺れながら

いつの時代も、母親たちは日々悩み、精いっぱいの心をかけて子育てしているのでしょう。そうした母親たちのまわりには、子育てに関わる神話のようなものやマニュアル本もあり、いつも惑わされ、不安になり、何が真実なのか正直わからないことだらけです。
ただ社会の風潮や神話が母親たちを不要にしばることなく、笑顔で子育てできる社会になっていってほしい。
「どういう子育てや人生にするのがいいか、正解はない。ただ悩みながらも凛として生きるお母さんの姿ほど子どもにいい影響を与えるものはないと思う」
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悩みのない、親(もちろん教育者も)はいない。
そんな悩みをオープンに話せる場があり、1人で抱え込まないで、一緒に考える仲間(夫婦でも友だちでも親でも知人でも)と共に、親が親として育っていける社会を作りたい。
子育てをしたからこそ、得られる価値(喜び、苦しみ、怒り、悲しみもひっくるめて)に光を充てて、社会で子育てを支える文化を、できることから一歩ずつ勧めていきたい。